こんにちは!今回は作用反作用のお話です。実は2力のつりあいと作用・反作用はとても似ていて、教えるときにとても混乱する人が多いです。きちんと区別して設問に答えられるようになりましょう!
作用・反作用の法則
物体Aから物体Bに力をはたらかせると,物体Bから物体Aに,同じ作用線上で、大きさが等しく、向きが反対の力がはたらく。
これが作用・反作用の法則の定義です。
作用と反作用と書くと、作用の邪魔をしているのが反作用みたいなニュアンスに感じますが...(自分だけ?)、そのような感じではなく、お互いに同じ力を出し合うという相互作用的な感じで考えてもらうといいと思います。打ち消すわけではないということです。
つりあう2力と作用・反作用の2力の定義を見比べる
つりあう2つの力の特徴
- はたらいている2つの力が同一作用線上にある。
- はたらいている2つの力の大きさが等しい。
- はたらいている2つの力の向きが逆向きである。
作用・反作用の2つの力の特徴
- はたらいている2つの力が同一作用線上にある。
- はたらいている2つの力の大きさが等しい。
- はたらいている2つの力の向きが逆向きである。
あれ?二つとも同じだと感じた人!とても正しいです。文字だけ見ると、定義が被っているのです。しかし、意味は違います。
つりあう2力と作用・反作用の2力の違い
つりあう2力を言葉でチェック
つりあう2力は着目する1つの物体が受ける力を指しています。
重力は、物体が地球から受ける力
垂直抗力は、物体が面から受ける力
この場合、物体が2つの力を受けているため、つりあいの2力の関係であることがわかります。
作用反作用の2力を言葉でチェック
作用反作用の2力は、異なる2つの物体がおよぼしあう力を指しています。
作用 物体が面から受ける力
反作用 面が物体から受ける力
このように物体A、物体Bの場所が入れ替わっているものが作用と反作用の関係にあると言えます。
例題を解いてみる。
物体Aと物体Bを図のように糸でつなぎ、天井に吊り下げた。図の力は,物体A,物体Bおよび糸が受ける力であり,それぞれの力の大きさをF1~F8と表す。(矢印省きます)
(1)F1~F8は,何が何から受ける力か。
- F1:〔 物体A 〕が〔 糸1 〕から受ける力
- F2:〔 糸1 〕が〔 物体A 〕から受ける力
- F3:〔 物体A 〕が〔 地球 〕から受ける力
- F4:〔 糸2 〕が〔 物体A 〕から受ける力
- F5:〔 物体A 〕が〔 糸2 〕から受ける力
- F6:〔 物体B 〕が〔 糸2 〕から受ける力
- F7:〔 糸2 〕が〔 物体B 〕から受ける力
- F8:〔 物体B 〕が〔 地球 〕から受ける力
(2)物体Aが受ける力はF1~F8のうちのどれか。
〔 F1 F3 F5 〕
(3)物体Bが受ける力はF1~F8のうちのどれか。
〔 F6 F8 〕
(4)物体Aと物体Bについて,力のつりあいの式をそれぞれF1~ F8 を用いて書け。ただし,鉛直上向きを正の向きとする。
1つの物体にはたらく力の〔 合力 〕が0となるときつりあうので
物体A 〔 F1-F3-F5 〕=0 物体B 〔 F6-F8 〕=0
※正の向きを指定された時などは、合力の和=0と書きます。こう書けば、向きも考慮していることになります。
(5) 作用反作用の関係にあるのはF1~F8のうちのどれか。
〔 F1とF2 〕〔 F4とF5 〕〔 F6とF7 〕
ざっと、こんな感じで聞かれることが多いので、ゆっくりと日本語をチェックしながら進めていけば解けると思います。
まとめ
つりあう2力と作用反作用の2力について説明できるようになりましたか?ややこしいですがきちんと力を言語化することでわかりやすくなると思います。では、今回のまとめです。
- つりあう2つの力は着目する1つの物体が受ける力を指す
- 作用反作用の2力は、異なる2つの物体がおよぼしあう力を指す。
- 作用反作用は互いに打ち消しあうことはない。
作用反作用の関係を理解できれば、力のつりあいや運動方程式でのミスがグッと減ります!とりあえず、重力と垂直抗力は作用・反作用の関係ではありませんよ!これも説明できると信じています!ではでは~♪ヽ(´▽`)/
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