移動距離x〔m〕と変位x〔m〕、速さv〔m/s〕と速度v〔m/s〕は物理量の文字と単位が似ていて、とてもややこしいです。
厳密に書くと変位と速度の上には矢印を書いたりします。
実は、この4つが物理基礎の序盤に出てきて、物理でも必須な基礎項目となります。今回はそれぞれの違いをはっきりさせていきましょう。
移動距離、変位、速さ、速度の定義の確認
- 移動距離・・・移動した距離
- 変位・・・位置の変化量
- 速さ・・・単位時間(1秒)あたりの移動距離
- 速度・・・単位時間(1秒)あたりの変位
速さと速度は移動距離を時間で割るか、変位を時間で割るかの違いとなります。
あとは、移動距離と変位の違いが理解できれば、速さと変位を間違えることがなくなりますね♫
移動距離と変位の違い
移動距離を単純にいうと、物体(人、車など)がどれだけ動いたかを表す量です。
変位は始点(スタート)と終点(ゴール)を繋ぐ最短距離(どのような道のりを辿ったかは考えない)を示しています。下の例を見てみましょう。
移動後の画像を見てみると、移動距離と変位は始点と終点は等しいが答える数値が違うことになります。
また、変位に関しては向きも答える必要があります。これはスカラーとベクトルの違いです。
スカラーとベクトル
スカラー
スカラーとは大きさのみをもつ物理量のことです。
日本語のワードとしては、以下のようなものを指します。勉強していくと徐々に増えてきます。
移動距離、速さ、 エネルギー、 ○○の大きさ など
スカラーの物理量を答える際には、「数値、単位」を付けて答えます。
ベクトル
ベクトルとは大きさと向きをもつ物理量です。
日本語のワードとしては、以下のようなものを指します。勉強していくと徐々に増えてきます。
ベクトル・・・変位、速度、加速度、電場、磁場 など
物理基礎・物理において、向きは非常に重要です。
これは力がはたらく向きに物体が動いていくという運動方程式を解くときに重要になるからです。
ベクトルの物理量を答える際には、「向き、数値、単位」を答えます。
平面図の計算の際には、向きが入っているベクトルの計算は以下の手順で行います。
- 物理量を示す矢印の作図
- 出来た図を用いて、三平方の定理や三角比で計算
三角比は数Ⅰで習うので、きちんと勉強しておく必要があります。
苦しい人もいると思いますが頑張りましょう♫ヽ(・∀・)ノ
移動距離、変位の計算
北に30m移動したあと東へ30m移動したとして、図を参考に具体的な計算を行ってみましょう。
移動距離の計算
移動距離は移動した量をそのまま足せばよいので、
移動距離・・・x=30+30=60m
60mと答えます。
変位の計算
まずは、作図から行いますが、今回は作図がされているので、図を元に考えます。
変位はスタート地点とゴール地点を結ぶ線なので、上の図だとオレンジの線を表します。オレンジの線の長さをxとおいて計算します。
三角形の比より、1:√2=30:x
x=30×√2=30×1.41=42.3≒42m
これで矢印の長さが出ました。これは大きさと単位を表しています。向きに関しては作図の向きを参考に答えていきます。
この場合は、北と東のちょうど間なので、北東向きに42mと答えます。
速さと速度の計算
上記の図の経過時間が10秒だとして、速さと速度を計算してみましょう!
速さ・・・60÷10=6.0〔m/s〕
速度・・・42.3÷10=4.23≒4.2〔m/s〕向きも含めると 北東向きに4.2m/s
このように、移動距離と変位を求めておけば、あとは時間を問題文から抜き出すだけで答えられます。
まとめ
今回の内容の特に重要なところを3点にまとめると、
- 移動距離と変位、速さと速度の違いは、スカラーかベクトルかの違い。
- ベクトルの計算は三平方の定理や三角比を用いる。
- 速さと速度を求めるには、移動距離と変位を求めておく必要がある。
移動距離と変位の違い、速さと速度の違いを理解することが物理を学ぶ上でとても大切なことになります。頑張って問題に取り組みましょう!!o(^▽^)o
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