今回は、不登校の原因として何が多いのか文部科学省のデータ(平成29年度版)を自分なりの解釈を加えてまとめていきたいと思います。
不登校は誰にでも起こりえます。
家族、教員、もしくは不登校になりつつある本人が読んでいるとして、話を進めていきます。
不登校の定義とは
文部科学省による不登校の定義は以下のものになります。
「不登校児童生徒」とは「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を 除いたもの」
このように定義しています。
各自治体の教育委員会は、各学校の管理者に出席の報告をさせていて、不登校の人数をある程度把握していると思います。
例えば、年間で30日以上なので、4月の段階で4日休んだりすると、候補として上がってくるというイメージです。
かといって、教員はこの状態では休みが多いという声かけぐらいしかできません。
おそらく、保護者も休むようになってきたぐらいの感覚だと思います。
文部科学省の統計データから不登校の主な原因を探る
文部科学省は各自治体の学校に頼んでいるアンケート(平成29年度版)で不登校の内容を以下にまとめています。
アンケートの結果として、1つ目のPDFで不登校の内容のうち、「本人に係る要因」として4つの項目を4(『不安』、『無気力』、『学校における人間関係』、『あそび・非行』)の高い回答率のものを説明しています。自殺や長期欠席などのデータもあります。
2つ目が全データです。このまとめが1つ目のPDFだと思ってください。
小中学校の不登校の主な要因
小中学校の不登校者の主な要因として多いのが、以下の4点です。
- 「家庭に係る状況」
- 「学力不振」
- 「いじめを除く友人関係をめぐる問題」
- 「学校のきまり等をめぐる問題」
となっており、特に「家庭に関わる状況」と「いじめを除く友人関係をめぐる問題」の項目が突出しています。
家庭にかかわる状況とは?
小・中学生の間に、起こりうる家庭の変化は以下のような例が挙げられます。
- 離婚や再婚などの家族構成の変化
- 親子間、兄弟間の関係がうまくいかない
このようなことで悩んでしまい、頭の中で整理がつかなくなることが多いと考えられています。
家族間の事は自分自身で解決することもできず、他人に相談しにくいのも難点ですね。
いじめを除く友人関係をめぐる問題とは?
いじめを除く友人関係をめぐる問題は以下のような例が挙げられます。
- うまくグループに入れないことで疎外感や孤独感が生まれている。
- 1人の行動が多くなり、学校に行くことが楽しくないと感じている。
児童や生徒の中には友人に声をかけることが難しい人が沢山います。(いわゆる人見知り)
すでにグループが形成されていると活発な児童・生徒でも躊躇すると考えられます。
高校の不登校の主な原因
高校の不登校者の主な要因として多いのが、以下の5点です
- 「学業の不振」
- 「入学,転編入学,進級時の不適応」
- 「進路に係る不安」
- 「いじめを除く友人関係をめぐる問題」
- 「学校のきまり等をめぐる問題」
となっており、特に突出しているのが、「学業の不振」、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」となっています。
「いじめを除く友人関係をめぐる問題」に関しては小中と同じ内容だと考えられます。
学業の不振とは?
学業の不振に関しては、以下の2点が主な原因だと考えられます。
- 高校の学習内容が難しくなって、うまく順応できない。
- 高校入学後の同じ知識レベルの生徒間での自分の成績の状態を受け入れられない
高校は単位制のため、ある程度の学業成績を修めなければ卒業すること事体が難しくなります。
また、「進路に関わる不安」の項目が出てきているのも、将来に対する不安(就職活動、大学入試)によるプレッシャーもなどが原因だと考えられます。
まとめ
おおまかな原因はこの中のいずれかに当てはまると思います。回答の7割が上記のいずれかにあたります。
しかし、問題はあとの3割はまた別の要因に当てはまるということで対応が多岐に渡ります。
実際に現場で働いていると、医療関係に関わることも多かったので、心配なら専門の機関に行ってみることも大切です。
また、アンケートの方にも記載がありますが、不登校の児童・生徒の中には、学校内外の施設や機関等で相談・指導を受けていない場合があります。
小中で19%、高校で35%程度の子どもが学校にも専門機関にも相談できていない状況です。もしかしたら家族にも相談していないかもしれません。
今回の内容を読んで思い当たる節があれば、教員、保護者、専門機関で情報を共有し、不登校の本人が自立できるような解決策を模索して欲しいと思います。
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